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慰謝料の支払い方法

現金手渡しによる支払い

慰謝料を支払う方法、タイミングとして、示談する当事者同士が会って示談書を取り交わすときに現金で手渡すこともあります。

この方法であれば、示談の成立と同時に慰謝料が支払われるため、当事者双方にとって公平な取り扱いとなり、安心して示談に関する手続きを完了させることができます。

現金を手渡して慰謝料を支払う意味

不倫を原因として支払う慰謝料は、示談条件の中心となり、示談する当事者間における話し合いによって、金額、支払方法、支払期日などを取り決めます。

話し合いで慰謝料額を調整することは、双方にとり大きな負担となりますが、それさえ決まれば、そのほかの条件は、慰謝料の支払方法と支払期日を定めることで済みます。

慰謝料の額が高いときには分割払いになることもありますが、できるだけ一括払いとすることで、示談する当事者の関りを直ちに清算することが望ましいと言えます。

不倫の示談における当事者は、通常では関わりのない者同士であることから、示談の成立後に慰謝料の分割払いが続くことで債権者と債務者の関係を残すことは、精神面において良いことになりません。

そうしたことから、不倫 慰謝料を支払う側は、慰謝料を支払う資金がないときは銀行からの借り入れによって慰謝料の支払い資金を用立てることもあります。

慰謝料を準備できたときは、示談する当事者同士が会って、示談の条件を最終確認する示談書の取り交わし時に一括して現金を手渡して支払うことがあります。

なお、示談の成立日以降の支払期日を定め、示談書の取り交わし後に慰謝料の受取り側が指定する銀行口座に慰謝料を振り込むことも多く行なわれます。

銀行振り込みであると、慰謝料の支払いが完了するまでは、示談の手続きが実質的に終わらないことになります。

こうしたことを考えれば、不倫 示談書の取り交わしをするときに慰謝料すべてを現金で手渡して支払う方法は、手堅い手続きであると言えます。

なお、現金による受渡しは持ち運びが心配であると考える方もありますが、銀行内又は銀行の傍で受渡しをすることで対応する方法もあります。

現金で慰謝料を支払う意味

現金を手渡して慰謝料を支払うことも、不倫処理の実務上で行われています。

示談書が慰謝料の領収証にもなります

不倫慰謝料の支払いを確認する示談書を取り交わす時に現金で慰謝料を支払う場合は、示談書に「慰謝料が支払われ、受け取りが完了した」という旨を記載します。

慰謝料の支払いは、示談書における主要事項となりますので、この部分の記載は不倫の示談書において重要なところになります。

示談書には示談する当事者の双方が署名と押印をしますので、示談書は示談の成立したことを証する書面になると同時に、慰謝料支払いの領収証を兼ねることになります。

つまり、示談書は、示談の前提となる不倫の事実を確認することから、慰謝料支払いの取り決め、慰謝料の支払い、受領までのすべてを記した資料となります。

現金手渡しは行われています

当事務所では示談書の作成業務を取り扱っていますが、慰謝料について現金手渡しによる支払いを条件とすることは、それなりの割合で見られます。

現金の受け渡しは、当事者同士が会うことになりますので、示談書の取り交わしもその場で行なうことができます。

慰謝料を銀行振り込み払いとしたり、示談書の取り交わしを郵送とすることで精神的な負担は軽くなりますが、予定通りに履行されないリスクが伴います。

示談相手と会うことが辛い方には選択が難しいかもしれませんが、そこを我慢できれば、一度に手続きが済むという現金手渡し払いは、受け取り側に安心感があります。

そうしたことから、現実の実務においても現金の受け渡しが行われているのでしょう。

債権者側にかかる負担

友人などにお金を貸した経験のある方であると、貸したお金が戻ってこないことが多いという現実、また、お金を回収することはいかに苦労を伴うかを知ると思います。

友人との貸し借りであると数万円ぐらいの額になりますが、不倫問題の示談における慰謝料額は数十万円から数百万円と高額になります。

こうした大きなお金の受渡しを約束して示談を成立させると、受け取る側は、慰謝料がすべて支払われるまでは気持ちが落ち着かないものです。

もし、約束した期限に慰謝料が支払われなかったときは相手に連絡を入れることになりますが、そうしたときは連絡がつかないことも予想されます。

約束を守らなかった側は、支払い督促の連絡が来ることを予測しているため、連絡を受けないこともあります。

裁判による回収は、時間がかかり、弁護士へ支払う報酬が重い負担になります。

こうしたことを考えると、示談する時に一括して現金で慰謝料を受け取れることは、安心できる好条件になります。

そのため、たとえ慰謝料の全体額を大きく下げても、現金の手渡しによる一括払いを条件として希望する人もあります。

公正証書による示談契約

慰謝料の支払期日が示談の成立より後になるときは、公正証書を利用した示談契約を結ぶこともあります。

公正証書による示談契約は、各地にある公証役場で行ないます。

不倫での慰謝料の支払い契約を公正証書にしておくと、万一、約束どおり支払われないとき、裁判せずに支払い義務者の財産を差し押さえる手続(強制執行)ができます。

ただし、支払い義務者に給与等の収入、預貯金など、差し押さえるだけの財産がなければ、強制執行によって慰謝料を回収することは実現できません。

公正証書は安全な契約方法と一般に認められていますので、公正証書で契約をすれば、必ずお金が支払われるものと誤解をしている人も少なくありません。

しかし、お金を支払う側に資産、収入が十分になければ、そうした相手と公正証書を利用して契約をしても、支払われないお金を回収することはできません。

相手の信用を踏まえて判断する

現金の手渡しによる一括払いは、慰謝料の支払い条件として安全です。

しかし、不倫の示談において慰謝料を受取る側は、慰謝料の総額を重視する傾向が一般に見られ、できるだけ多くの慰謝料を得る方が示談が成功したと考えます。

そのため、慰謝料の総額を引き下げないために支払条件を分割とすることにあまり抵抗感を持たない方もあります。

分割払いは相手の信用状況を踏まえて判断することが絶対に必要であり、安易に支払いを分割とする条件を認めると、あとになって苦労することになります。

分割払いが滞り始めてから「こんなはずじゃなかった」とならないように、慰謝料の支払条件を調整するときは慎重に対応をすすめることが大切です。

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