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公正証書も絶対ではない

公正証書で離婚契約を結ぶことによって養育費などの支払いの安全性を高められます。ただし、公正証書で契約をしても、そのことだけで契約した金銭の支払いが確実になると保証された訳ではないことを知っておくことも大切です。

安全に契約できる公正証書

お金の貸し借りをする契約をする際には、公正証書が利用されています。

その理由は、公正証書契約に備えることができる執行証書としての機能を利用すれば、万一の支払い遅滞時に、公正証書で支払いを約束した側の財産差し押さえをすることが裁判をしなくても速やかに対応できるためです。

ただし、公正証書契約によって金銭支払いについての安全性を高めることはできても、お金の支払いには絶対ということはありません。

過剰な期待は禁物です

離婚の際における手続きを調べていると、養育費などの支払について安全に離婚契約を結ぶ方法として離婚公正証書の存在を知ることになります。

現代の情報社会では、何事についても調べたいことがあると、まずインターネットにおける検索で情報を収集することになります。

ただ、インターネット上で閲覧できるウェブサイトのほとんどは事業者が運営するものになります。サイト運営の目的は、広告収入を得たり、商品・サービスの宣伝です。

良質なウェブサイトもある一方で、多くの注目を集める目的で、公正証書で契約をするだけで離婚給付を受領できるかのような表記があるウェブサイトも見られます。

知識のある人が見ればウェブサイトの品質や記載の意味を理解できるのですが、分からないことを調べている方にはウェブサイト情報の真偽を見極めることができません。

このようなことから、ウェブサイトの表記をそのままに、公正証書で離婚契約を結ぶと離婚給付を間違いなく受けられるものと情報を捉えてしまう方もあります。

しかし、お金の支払いや回収を確実にできる保証などありません。そのようなことは、冷静になって考えてみれば分かることです。

たとえば、養育費の支払契約では、養育費を負担し支払う側に、その支払いができるだけの経済収入や資産のあることが支払いの確実性につながります。

もし、支払う側が失業や大きな病気をしたことによって経済収入が減少したり、所有している財産を失くしてしまえば、養育費を契約通りに支払っていくことはできません。

また、養育費の支払いが止まったために公正証書契約に基づいて支払う側の財産を差し押さえしようにも、その対象となる財産がなければ、差し押さえはできません。

公正証書契約は、契約で定めたお金の支払について、その安全度を高めることができますが、絶対にすることはできません。

当たり前のことなのですが、公正証書契約に過剰な期待をしてしまうと、それが外れたときに大きなダメージを受けてしまうことになりかねませんので、注意が必要です。

支払い能力

夫婦で離婚の条件を話し合うとき、支払金額について時間をかけて調整することもある一方、支払い能力について検証をしないまま簡単に決まってしまうこともあります。

協議離婚で定める養育費や財産分与などの条件(離婚給付)は、離婚後にも、夫婦双方が生活できるように定めることが大切になります。

離婚給付が少なすぎては、収入の少ない側の経済生活が成り立たなくなり、反対に離婚給付が多過ぎても、それを支払う側の経済生活が成り立たなくなってしまいます。

協議離婚では夫婦だけの話し合いで各条件を定めることができますので、冷静になって客観的に離婚条件を見ることができないこともあります。

離婚することを急ぐばかりに、無理な離婚給付の条件であっても、それを支払う側が承諾して、公正証書に作成してしまうことも起きています。

そのような無理な契約をしても、いずれ直ぐに支払いが滞ってしまいますので、公正証書で契約をしても離婚給付を受け取れることにはなりません。

離婚の条件を定めるときには、現実味のある内容としてこそ、公正証書契約によって、支払いの安全性が確保されることになります。

最善を尽くしておくことが大切に

上記のとおり、公正証書契約をしただけで離婚給付が保証された訳ではありません。

ただし、離婚契約を結ぶときに、できる限りの対応をしておくことは大切です。

離婚後には夫婦間の扶養義務は消滅しますので、子どもの扶養を別とすれば、離婚契約の中で双方が金銭給付などについて合意をしておかなければ、何も実現されません。

また、合意する内容、契約書の定め方によっても、実現の可能性が異なってきます。

そうしたことから、離婚時に定める条件は十分に検討をしたうえで、できるだけ実現の可能性を高められるように公正証書契約に定めておくことが必要です。

双方の権利と義務を公正証書契約書で明確にしておくことで、離婚後の二人の関係が契約だけとなり、無用な話し合いをしなくても済むことになります。

慌てずに

協議離婚することに夫婦で合意ができたときは、どちらも急いで離婚手続を進めようとします。もう一緒に生活することに意義を感じなくなることは、理解できることです。

ただし、離婚の契約は夫婦双方にとって大事なものとなります。契約をしてしまうと、離婚の成立によって離婚契約の効果が生じます。

離婚をした後になってから、契約に漏れ、誤りのあることに気付いても手遅れです。

離婚前後の慌ただしいときでも、落ち着いて離婚契約の取り決め条件について考えて見ることが大切になります。

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