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公正証書が利用される訳

夫婦で養育費、慰謝料などを離婚の際に約束することは一般にもよく見られることで、このようなとき、契約後に約束が守られるように公正証書離婚が利用されています。公正証書は公証役場で作成されますが、金銭の支払いを約束するときに便利なものです。

重要な契約と特別な機能

離婚の際に夫婦が定める条件には、重要なものがあります。

たとえば、夫婦の間に子どもがあるときには養育費を定めることになりますが、養育費は、その支払い期間が長くなると、総額では大きな金額となります。

子どもが幼いときには支払い期間が20年近くになることもありますので、月額5万円の養育費であると年間60万円となり、20年間ですと1200万円になります。

財産分与に夫婦の住宅があるときには、その所有権の移転に関する取り決めは、登記手続の時期も含め、とても大事なものとなります。

また、住宅の購入時に銀行等の住宅ローンを利用することは普通ですので、住宅ローンの離婚後における返済についても定めなければなりません。

このような大事な離婚条件に関する取り決めは、安全な公正証書によることが離婚後の安心にもつながり、公証役場での契約が行なわれるところになっています。

また、公正証書契約が協議離婚で利用される最大の理由は、公正証書にはそこで契約した金銭支払いについて特別な機能を付加することができるためです。

約束した金銭の不払いがあったとき

公正証書による契約には、特別な機能を備えることができます。

それは、金銭を支払う契約を公正証書ですると、その支払いが守られなかったたとき、裁判をしなくても支払い義務者側の財産を差し押さえること(これを「強制執行」と言います)ができます。

一般に、強制執行するために裁判をするとなれば弁護士費用の負担が大きくなるため、現実にはお金を回収するために裁判することを選択できないことも多くあります。

でも、公正証書契約であれば、その作成にかかる費用は数万円程度で済みますので、少ない費用で裁判をするのと変わらない効力を契約で備えておくことができます。

養育費の特例

離婚の公正証書契約は、養育費の支払いがあるときに多く利用されています。

これは、養育費の契約であると、もし支払いを守らなかったときに強制執行をすると、先の支払期限の養育費までを、その対象にできることになるためです。

そのため、仮に給与の差し押さえをすれば、相手の勤務先が変らない限り、ずっと継続して養育費の支払いを受けることも可能になります。

また、一般の債権であると、給与の計算上の対象額の4分の1までしか差し押さえができませんが、養育費の場合には2分の1まで差し押さえができることになります。

このような仕組みから、養育費を受領する側は、公正証書契約による離婚手続を望むことになります。

公証役場で作成されます

公正証書は、法務省の機関である公証役場で作成される証書であるため、公文書としての高い信頼性が備わることになります。

協議離婚するときに作成される夫婦の間における契約書は、養育費、財産分与、慰謝料などの離婚条件について具体的に定めるものとなります。

離婚に関する契約書は、一般に「離婚協議書」と言われますが、これを公正証書にしなければならない義務はありません。

ただし、養育費などの金銭の支払いがあったり、住宅の財産分与が行なわれるときには安全な契約書となる公正証書が利用されています。

万一、離婚した後に当事者間でトラブルが起きたときにも、離婚の際に約束をした内容を公正証書によって証明することができます。

公証役場

公証役場は、日本国内の約300か所にあります。

すべての都道府県に公証役場が設置されていますが、人口の多い都・県と少ない県とでは公証役場の設置数に大きな差があります。

人口の集中する東京都内には40か所を超える公証役場がある一方、少ない県では2か所しか公証役場がありません。

公正証書を作成するとき、住所地の近くに公証役場があれば便利ですが、そうでないときには、どちらかの公証役場を選んで、そちらで公正証書を作成することになります。

離婚契約は公正証書を作成する夫婦が公証役場に出向いて作成することが基本となり、どこの公証役場でも利用することができます。

日本公証人連合会の公証役場一覧

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