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確かな計画が大切

熟年での離婚

子どもが自立してから離婚をする夫婦も増えています。このような熟年での離婚では、離婚後の生活設計を、老後の生活までを見通して立てることが重要になります。計画のないままに離婚を進めることには大きなリスクがあります。

計画性が重要

熟年で離婚する夫婦が増えてきていることが、ここ近年で言われています。

日本社会の価値観も変化して、離婚は特に悪いことではないという認識が一般となり、子どもが自立した後の人生を価値あるものとするために離婚を選択する夫婦がいます。

ただし、熟年での離婚では大きな失敗をすると修正していくことが難しいこともあり、そのリスクを理解したうえで、慎重に進めていく必要があります。

熟年離婚での課題は、大きく2つあると考えます。

その一つ目は、離婚した後の生活において経済的な自立を確保できることです。

離婚した後には、一人だけで生活していかなければなりません。年齢的に収入を得ることのできる残期間が短くなっていることから、離婚で定める条件の財産分与と年金分割が重要になります。

財産分与は夫婦の共有財産を分割して清算することになりますが、夫婦の婚姻期間が長いからといって、必ずしも十分な財産があるとは限りません。

離婚をするまでに、子どもの教育や住宅ローンの返済に収入を充ててしまったことで、預貯金が余りないケースも多く見られます。

そうなると、財産分与の中心は住宅となるますが、住宅は売却をしない限り、夫婦で半分ずつに分割することができません。

また、住宅ローンの完済時期前であれば、その返済のための資金を住宅の売却代金から控除しなければならないことになります。

住宅を売却すると、夫婦のどちらも新たに住居を探さなければなりません。

なお、所有住宅が高く売却できなければ、売却後の住居費に回すことのできる資金が少なくなるため、離婚後の住居費が、その後の生活に大きく負担となることもあります。

親からの相続を受けて、親の所有していた住宅に住める事情の方もあります。離婚時における住宅の扱いについては、ご夫婦で良く話し合うことが大切です。

住宅のほかにも、離婚後には生活資金が必要になります。預貯金が十分になくて、給与などの収入がないと、離婚してからの生活に不安を残すことになります。

離婚後の収入に関して妻側に不利になることが多いため、現実的に離婚に踏み切れない理由となっていることも少なくありません。夫婦間での分業の結果、夫側に収入力が備わっているものの、妻側にはそれがないというケースが多く見られます。

年金受給までの間における生活資金を、財産分与の資金で賄うことができるのか、検討が必要になります。

また、将来的には公的年金が大事な収入源となりますので、離婚時に年金分割ができるのか、もし年金分割ができるときには受給額がどうなるのかを確認します。

年金分割をすることは、当然ながら相手側の年金受給額を落とすことになりますので、離婚することに合わせて分割の合意が得られることがポイントになります。

なお、年金分割は、国民年金ではなく、厚生年金(旧共済年金も含む)の部分にかかる分割になりますので、婚姻中は自営業に従事されていた夫婦には関係ありません。

そして2つ目は、離婚することの合意を得ることです。

人口の高齢化によって、健康でなくなった状態になってから生きていく期間が長く生じることがあります。その期間を、どのようにして経済面及び介護面でカバーするのかという心配を、誰でもが持っています。

自分に子どもがいても、その子どもにすべてを頼れるものではありません。子ども自身にも生活があるため、経済的または時間的に余裕のないことが普通となります。

このようなとき、離婚後の単身者は、不安が大きくなることもあると想像されます。

以上のことから、熟年において離婚することで、高齢時代における様々なリスクにどう備えて対応するかということが切実な課題になります。

一般に、夫側は、生活面ではすべて妻に頼ってきているところがあります。そのため、離婚後の経済面以外の生活面における不安もあるため、離婚することに容易に同意しないことも考えられます。

相手の同意がなければ協議離婚、調停離婚は成立しませんので、裁判で離婚する方法しか残されません。

ただし、裁判で離婚を請求することになると、長期間の別居などにより婚姻関係が破たんしていると認められなければ、相手に離婚原因のあることが必要になります。

単なる性格の不一致を理由としては、裁判で離婚請求が認められるか分かりません。

以上のとおり、離婚後の経済的な課題を解消し、さらにお互いが離婚後に一人でも生活していけることが、熟年離婚の必要な条件になると考えています。

「困ったことが起きても何とかやっていける」という気持ちも大切かもしれませんが、熟年離婚では、現実的な見通しが立てられることが前提として必要になると考えます。

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