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婚約破棄の慰謝料と支払方

慰謝料の分割払い

婚約破棄により、慰謝料など賠償金の支払いがあるときは、原則として、一括払いにより清算します。当事者間で婚約破棄に示談が成立した以降においても、債権債務の関係が継続することは望ましい形とは言えません。

しかし、どうしても止むを得ぬ事情により慰謝料の一括払ができない事情が相手に認められるときには、慰謝料の分割払を条件として、当事者間で示談することもあります。

慰謝料の分割払い

慰謝料の分割払い

慰謝料が発生するとき

婚約していた男女間で婚約破棄の問題が生じたとき、当事者間で婚約破棄の問題解決に向けて協議を始めることになります。

このとき、男女間に婚約が成立していたことに双方の認識が共通であったかが問題となることがあります。もし、婚約が成立していなかったのであれば、男女の関係が解消されても、それが婚約破棄の問題にはなりません。

婚約が成立していなかった場合、男女関係の単なる解消となることもありますし、男女の一方に違法性が認められると、貞操権の侵害という問題になることもあります。

男女間に婚約が成立していたことが間違いない事実であれば、婚約破棄が起きたとき、婚約破棄をした側に正当事由があったかどうかが大事なポイントになります。

婚約破棄に正当事由があるとなれば、婚約破棄に関して原因がある側は、相手方に対して婚約破棄の慰謝料を支払う義務を負うことになります。

婚約は婚姻することの予約をしていることとなりますので、婚姻する義務を履行しないときには、その債務不履行について損害賠償責任を相手方に負うことになります。

この損害賠償金は、財産的な損害と精神的な損害に分けて考えることができます。

財産的損害とは、結婚に向けた準備のために支出した費用で、婚約破棄によって無駄となってしまった財産上の損害になります。

たとえば、結婚式場に入れた予約金、仲人へ支払った謝礼金ほか、婚礼家具や結婚指輪の購入済代金、結婚することを予定して会社を退職してしまったことによる収入上の損害などになります。

精神的損害は、いわゆる慰謝料というものであり、既に職場や知人、親戚などに結婚する予定であることを話をしてしまっていたりすると、婚約破棄による受ける精神的苦痛は大きなものがあります。

また、婚約破棄までの付合いにおいて男女間の深い関係となり、妊娠中絶手術をしていたりすると、その経緯、状況なども加味されることになります。

このような婚約破棄の慰謝料は、ケースごとによって金額も異なります。

古いデータ(平成10年司法統計)になりますが、次のような金額も参考になります。

  • 100万円から200万円以下:24.2パーセント(全体件数における割合)
  • 50万円から100万円以下:24.2パーセント
  • 200万円から400万円以下:18.6パーセント
  • 30万円~50万円以下:10.3パーセント
  • 30万円以下:8.2パーセント、ほか省略

上記の金額は、内縁解消(財産分与)も含まれています。一般に婚約破棄の慰謝料は、数十万円から200万円の範囲で決められていると言われています。

なお、慰謝料等の支払方法は、一括払:分割払=124:70であり、一括払の割合がかなり高くなっています。

分割回数は短く

慰謝料の支払いが分割にならざるを得ないときでも、その分割期間(回数)は、できる限り短くすることが支払条件を定めるうえで肝要となります。

慰謝料は損害賠償金であり、本来であれば一括払いであるところ、支払者側の事情に配慮をして分割払いにするわけです。その時点で、慰謝料の受領者側は譲歩しています。

分割支払いはその完了までにリスクが生じますが、慰謝料を受領する被害者側が支払リスクを負うのは、おかしい面もあります。

どうしても、分割期間が長くなると支払リスクは高くなりますので、分割期間は短く定めるようにすることが望ましいことです。

婚約破棄の法的責任

婚約破棄慰謝料の分割払い

婚約破棄に伴う慰謝料支払について双方で合意に達する段階では、すでに婚約関係が完全に終焉し、双方の信頼関係が壊れている状況にあると言えます。

そのような双方の状況も踏まえれば、婚約破棄慰謝料の支払方法としては、一括払として合意時にすべて終わらせてしまうことが望ましいと言えます。

また、婚約破棄が解決した後においてトラブルが再燃することの防止目的もあり、一般に婚約破棄の問題解決時には示談書が作成されています。

解決時の条件整理について曖昧なままにしておくと、婚約破棄慰謝料との名目以外で、費用清算などの問題が当事者間で新たに発生してくることもあるかもしれません。

ただ、婚約破棄の慰謝料金額が高額になる場合では、支払方法の問題が生じます。

婚約破棄となる男女は未だ若いことも多くあり、慰謝料の支払義務者となる本人に十分な資力がないこともあります。

婚約破棄の問題を早く解決した方が良いと両親が考えて、慰謝料の支払いを両親が立て替えてくれることもあります。その後は、親子間で清算すればよいのです。

それでも、婚約破棄慰謝料を負担する者側に、慰謝料を一括して支払うことができないやむを得ない事情があるときもあります。

この場合は、婚約破棄慰謝料を、複数回に分けて分割金による支払いを条件とした合意をすることもあるかもしれません。

ただ、このようなときは、しっかりと支払いに関しての契約書を作成しておかないと、慰謝料分割金の支払いが滞ってしまったときに対応に困ります。

婚約破棄慰謝料の分割金の額が高額な場合は、契約費用をかけてでも、公正証書契約にしておくことも検討します。

本来であれば、損害賠償金となる慰謝料は、解決時に一括金で支払うべき性格のものになります。そのため、分割金払いとするために要する契約費用は、慰謝料の支払い義務者側の負担とすることを合意条件とすることも考えられます。

出来る限りは、合意時にすべてが決着できるように婚約破棄の慰謝料は一時金で支払いを完了させることが望ましいものと考えます。

公正証書契約とするとき

婚約破棄に関する慰謝料が分割金での支払いとなる場合、慰謝料を受領する側としては途中で慰謝料の分割金が支払われなくなってしまうことを心配します。

そのため、慰謝料の分割金が多くある場合は、公正証書による弁済契約が利用されることになります。このように、公正証書契約とするときの第一目的は、婚約破棄に関する慰謝料支払いが履行されることの安全性確保です。

そのため、このような婚約破棄慰謝料の分割金支払い時に作成される公正証書契約では「強制執行認諾約款」が必ず付されることになります。

この強制執行認諾約款が公正証書契約に付されると、公正証書契約において定めた金銭支払い(この場合は婚約破棄慰謝料の支払い)が履行されないとき、支払義務者の財産差し押さえ(強制執行)を、わざわざ裁判を経ずしても行なうことが可能になります。

このようなことから、婚約破棄慰謝料を支払う側は、強制執行されないように契約通り支払いをすることになり、万一の支払遅滞時においても強制執行が可能になります。

ただし、婚約破棄慰謝料の支払義務者側に資力がなければ、強制執行のできる公正証書契約を結んでも、単なる「絵に描いた餅」に終わってしまうことになります。

公正証書契約を結んでも、その約束通りに支払いが行われないことが多くあることは、よく耳にするところです。金銭を継続して支払うという約束は、それほど信頼できるものではありません。

したがって、支払義務者の資力が弱い場合には、金銭支払いに対して相手側の両親などを連帯保証人に付けることもあります。

公証役場での手続き

婚約破棄慰謝料の分割金に関する契約を公正証書として結ぶときは、近くにある公証役場で行なうことができます。

公証役場は日本全国に約300か所ありますので、お近くにある便利な公証役場で作成することが宜しいと思います。

契約書を作成する場合は、契約当事者が公証役場へ出向いて作成することが原則となります。ただし、公証役場へ出向くことが難しい場合には、公証役場の了解を得たうえで、代理人により作成することもできます。

公証役場への申し込みには、契約当事者の本人を確認できる資料(印鑑証明書、運転免許証・住基カードなど写真付の公的証明書)が必要になります。

公証役場の利用は、基本的に予約制となっています。

婚約破棄慰謝料の分割金

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一括金へのこだわり

婚約破棄時の慰謝料は、一括金で清算することが望ましいことは言うまでもありません。

慰謝料の支払い理由が婚約破棄ですから、婚約関係が解消しているのにかかわらず、金銭にかかる債権債務の関係が両者間に残ることは、すっきりしない形となります。

また、現実に分割金が約束通りに支払われないリスクがあり、このリスクは小さくないものです。

公正証書契約としても、約束通りに慰謝料が支払われないことは多くあります。

慰謝料の支払い条件を決める方法は、当事者間での協議が基本となります。しかし、婚約段階で双方の両親が関与していることも多くあります。

そのため、婚約破棄慰謝料の支払義務者本人に慰謝料の支払い準備ができなくとも、その両親が負担(立て替え)して支払うこともできます。

実際にも、両親が婚約破棄慰謝料の実質的な負担者となることも少なくありません。

一括金による婚約破棄慰謝料の受取りにこだわって相手側と協議していくことも、ときに良い結果になることもあります。

婚約破棄の示談書

婚約破棄の問題に双方で解決が図られるときに作成される示談書は、大切な意味があります。

示談書では、婚約破棄に関しての合意事項を各条項で確認し、最後に清算条項が入ります。この清算条項が入りますと、示談した以降においては、双方ともに名目にかかわらず、相手に対し金銭等の請求をすることができなくなります。

つまり、示談書の締結により、互いの関係はすべて清算することになります。

それでも、上記のように慰謝料の分割金が残ることもあります。この場合は、示談書で定められた分割金が、最後まで支払われるようにしなければなりません。

どのような条件として示談書で定めるか、慎重に検討し、その結果を双方で確認しておくことが重要となります。

そのようなとき、あなたの大切な示談書の作成サポートをご用意しています。

当所では、示談書の作成ほか、相手側への内容証明による婚約破棄慰謝料の請求通知書の作成にも対応します。

分かりやすいご利用料金と明瞭なシステムにより、どなたにも安心してご利用をいただくことができます。

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